Jw_cadの操作が覚えられなくてQCADへの移行を検討中

その他

無料CADソフトとして中小の企業などに広く普及しているJw_cadを使った図面作成について勉強を始めたのは今から3年前のことになります。

当時も今すぐにCADを使って書きたい図面があった訳ではなく、必要になった時に備えて操作方法くらいは知っておこうという思い付きレベルの話でした。

一応、こちらの写真の「できる ゼロからはじめるJw_cad 8 超入門」という初心者向けの解説書を買って勉強をスタートしました。この本はマウスの動かし方から始まっていたこともあり最初から読んで行けば簡単な間取り図程度は書けるようになるだろうと思っていたのですが、残念なことに試しに書き始めた自宅の間取り図も未だに完成には至っていません。

こちらの画像がJw_cadを使って書き始めた自宅の間取り図になります。5年前のリフォーム時には無料で配布されていた間取り図作成ソフトを使って書いていましたので、その図面を参考に作図を始めてみたものの、どうしても操作方法に慣れることが出来ませんでした。通り芯のみで間取り図のような感じにはなっているものの、柱や壁、建具類、キッチンやトイレなどの設備も全く書けていない状態で作業が止まっています。

使用するCADによって操作方法が異なっているのは当たり前のことではありますが、例えば円形を書く時は、中心点をクリックしてマウスを動かすと大きさが変化するのですが、四角形を書く時は操作方法が違っていて、まずは書きたいサイズを数値で入力した後、マウスで動かして位置を指定する流れになっており、更に指定した場所に中心点を合わせるのか四隅を合わせるのかを決定してようやく作図が終了となります。一般的なマウスで始点と終点を指定する操作方法とは大きく違うため、何度やってみても慣れることが出来ませんでした。

また、間取り図に限らず図面を書く時はレイヤ機能を使用しますが、今回も駆体や建具、設備など複数のレイヤを作成してはみたものの、しばらく使わない期間があったりすると切替方法を忘れてしまいます。作図の時もそうですが、左クリックだけでなく右クリックで操作するものもいくつかあるため、覚えるのを難しくしているのかもしれません。

覚えの悪さをソフト側に原因があるかのような書き方をしてしまいましたが、建築関係では多くの方が使用されているようですし、やる気を出してシッカリ練習すれば良いだけなのですが、仕事で使用する訳でもないため、なかなか身に付かないという感じです。先ほど書いた操作方法の難しさもありますが、各種ツールバーに並んだボタンも文字が中心で市販ソフトのように綺麗なアイコンが表示されている訳でもなく、機能面重視の地味な感じの画面構成がやる気につながらない原因なのかもしれません。(あくまで言い訳です。)

失礼な言い方をして無償で提供して頂いている作者の方には大変申し訳ありませんが、無料のCADソフトとしては探せば他にもあるようでしたので、まずはネット上で紹介記事をいくつか見つけたLibreCADを最初に試してみることにしました。無料で誰でも使用可能なオープンソースの2DCADソフトで、LibreCADコミュニティという非営利団体によって開発されているそうです。Jw_cadと並んで日本でも広く利用されているソフトの一つとのことですので試す価値はありそうです。

具体的な作図作業まではしていませんが、簡単な図形を書いてみたところ、操作方法に違和感などはありませんし、レイア機能についても直感的な操作が可能でした。難点としては日本語への対応が中途半端なことで、主なメニューは設定で日本語を選択すれば問題ないものの、翻訳が追いついていないと思われる箇所が複数あって英語のまま残っています。これが理由で使えない訳ではありませんが、他のソフトについても試してみることにしました。

次に試してみたのがこちらの画像の鍋CADになります。製造現場で使用される機械系のCADソフトとのことで、基本はそれなりの価格の有料ソフトですが、無料で使用が可能なフリー版も公開されています。

とりあえず体験版をインストールして使ってみました。建築系と機械系で具体的にどこがどう違うのかも分かっていませんが、機械系のパーツの図面を書いておられる方々の評価は高く、先ほどのLibreCADと同様に使い勝手は悪くない感じでした。

日本で開発されているソフトですので日本語の問題は全くありませんが、フリー版の場合は機能に制限があって作図要素数が限られることや、PDF作成機能なども動作しないようです。開発・販売は鍋テックという会社で、鍋CADという名称もここからのようですが、何となく拒否反応を示してしまったのは機能面や使い勝手ではなくこの鍋CADという謎の名称でした。

続いては、現時点で本命と思っているQCADになります。最初にご紹介したLibreCADの元になっているのがこのQCADになるそうで、以前は無料で使用が可能なオープンソースのソフトだったそうですが、今では有料に変わっており、そこから派生したのが無料版のLibreCADとのことです。

QCADは有料と言っても元々がオープンソースのソフトだったこともあり、他の有料ソフトのように高額ではなく、現時点では日本円で6,500円になっています。元になっているのが同じソフトということですので、操作方法などはLibreCADと大きくは違わない感じです。有料だからかもしれませんが、ツールバーなどに表示されているアイコンのデザインがLibreCADの簡素なアイコンに比べてリッチな(手間が掛かっている)印象を受けました。

日本語化についても、設定画面などに怪しげな翻訳箇所が見られるもののメニューの一部に英語が残っているといったことはありませんでした。また、図面上で日本語を入力しても、印刷時などに文字化けするといった問題も無いようです。

こちらの画像はQCADを使って四角形と円形を重ねて書いてみたところです。四角形も始点と終点をそれぞれクリックして指定が出来ますので操作方法として違和感はありません。尚、間取り図のように寸法が決まっている場合は、Jw_cadと同じようにサイズを指定して書くことも可能です。

また、書いた図面上でカーソルを動かして行くと、こちらの画像のように縦線の中央に来たところで中央という文字が表示されるようになっています。図面を書く時に中心点に合わせることは多いと思いますが、横線でも斜めの線でも中央に来た時に表示してくれますので、なかなか便利な機能ではないかと思います。

使いこなせていないため知らないだけかもしれませんが、Jw_cadに同じような機能は無かったと思いますし、もしあったとしても使い方が分かり辛いのがJw_cadの難点でしょうか。

こちらの画像も先ほどと同じような機能になりますが、四角形の角の部分や円形と交差する点などにカーソルを移動させると交点と表示してくれます。

間取り図のように隣の部屋を続けて書く時も位置を合わせるのが非常に簡単でしたし、Jw_cadを初めて使った時のように操作方法に迷うこともなく、サクサクと書き進めることが出来ました。

この交点に合わせる機能はJw_cadにもあって、左クリックではなく右クリックで円の中心を合わせたり四角形の角を合わせることが出来るのですが、画面上でそれが表示される訳ではないため、予め右クリックという操作方法を知っている(覚えている)必要があると思います。

いろいろと試してはみたものの、まだ具体的な図面を作成してみた訳ではないため、Jw_cadならこんなことも出来たのにといったところもあるかもしれませんが、とりあえずJw_cadよりも使いやすそうな感じがしますので、当面はこのQCADをメインで使ってみたいと思います。

このQCADは、最初にも書いたとおり基本は有料ソフトですので、起動時には毎回こちらの画像のメッセージが表示されて製品版の購入を促します。しかも、OKボタンの横に表示される数値が0になるまで押せないという念の入れようです。

起動時のメッセージ表示だけなら我慢してそのまま使い続けられるのですが、そんな甘い仕様にはなっていませんので、起動から15分が経過するとこの画像のメッセージが表示され、再起動しないと使えないようになっています。

ダウンロード出来るのはトライアル版のみですので無料版のファイルは存在しないのですが、起動後の画面右下に表示されている赤い丸印の削除ボタンを押すことで、無料版として使用する方法が表示されることをネット上の情報で知りました。

先ほどの画像のボタンを押すことで自動的に無料版になる訳ではなく、こちらの画像のメッセージが表示されるだけです。これを読んでも無料版になるとは書かれていないのですが、記載の10個のプラグインファイルを削除してやることで起動時のメッセージや15分毎のタイマーも発動されなくなるとのことです。

ここに記載された全てのファイルを削除するように書かれていますが、上から順に削除するのではなく、試しにファイル名にproの3文字を含んでいるファイルのみ順に削除してみたところ、以下のファイルを削除したところで起動時のメッセージやタイマーによる終了表示もなくなりました。

  • qcadproj.dll
  • qcadproscripts.dll
  • qcadproxies.dll

これで起動後の画面右下に表示されていたトライアル版の表示も出なくなっていますし、機能制限の範囲については分かりませんが、pdfファイルへの書き出し機能は使用可能でした。

今回はCADを実務で使用されている方々に対して失礼な内容も多々あったかと思いますが、趣味で図面が書いてみたいやつが自分の好みで評価しているだけですし、分かっていない部分が多いことも十分に認識をしていますので、ご容赦を頂きたいと思います。

とりあえずJw_cadを使って挫折した間取り図にもう一度挑戦してみて、このままQCADの使用を継続するかどうか判断したいと思っていますが、間取り図を書く場合、Jw_cadには窓などの各種建具を書く機能があるのですが、QCADの場合はそれらも全て作図する必要があります。

この点が建築関係で多くの方がJw_cadを使われている理由なのかと思いますので、とりあえずはいろいろとやってみて、間取り図はJw_cad、その他の図面はQCADといった使い方もありなのかと思います。必要性に迫られて書いている図面ではないため、判断結果のご紹介がいつになるかは未定ですが、とりあえず頑張ってみたいと思います。