先月の木之本地蔵周辺でのウォーキングに続き、その第二弾として昨日は米原駅から徒歩10分程度のところにある青岸寺の周辺を歩いてきました。この青岸寺は苔の庭園が有名です。
動画配信サイトなどを視ていると、米原駅は滋賀県で唯一の新幹線停車駅であるにも関わらず周辺には何もないといった趣旨の投稿を良く見掛けます。確かに有名な観光地や名所などは殆どありませんが、そのような状況の中でも良く紹介されているのが青岸寺になります。
今回は米原駅の東側にある米原市役所の駐車場に車を停めて、そこから青岸寺を目指して歩いてみることにしました。市役所の駐車場は2時間まで無料で利用出来ます。
米原市役所の駐車場を出発して国道8号線を横断した後、東方向に5分ほど歩いたところに公民館があり、その前にこちらの観光案内図があります。
青岸寺の駐車場はここから50メートル先とのことですので目的地までは後わずかです。ここで気になったのが「まいはら観光案内図」という表記です。駅名の読み方は「まいばら」ですが、ここの地名は「まいはら」と読むのが正しいそうで、住所としては米原市米原(まいばらしまいはら)になるようです。元々は坂田郡米原町(まいはらちょう)でしたが、近隣市町村が合併した時に駅名に合わせて「まいばらし」が採用されたとのことです。
こちらが青岸寺の山門になります。周辺には多くのモミジがあり、紅葉の季節になれば更に美しい景色が見られるのではないかと思います。
山門を入ったら右手にあるこちらの建物に向かいます。ここで拝観料300円を払うことで本堂の中や綺麗な庭園も見ることが出来ます。
入口ではこちらの可愛いたぬきが出迎えてくれます。信楽焼のたぬきだと思いますが、袈裟も着けていますのでお寺さん専用に作られたものではないでしょうか。
入ったところにはこちらの鐘が置かれており、拝観を希望する方はこの鐘を鳴らしてくれと書かれています。鐘を鳴らしてしばらく待っていると中から受付の方が出てきてくれました。ここで拝観料を支払った後は中を自由に観て回って良いそうです。
まず玄関を入って最初に目に留まったのがこちらの苔テラリウムです。青岸寺ではアートイベントとしてorite art青岸寺&光明の灯りが今月末まで開催されていて、こちらは大阪市中央区にて苔のインテリアショップを経営されている今田 裕氏の作品だそうです。
どの作品もここ青岸寺に実際にある風景がモチーフになっているそうで、後ほどご紹介する苔の庭が見事に再現されていて見入ってしまいます。
苔テラリウムを楽しんだ後は本堂へと向かいます。前方にある窓越しに綺麗な庭園が見えていますが、その前にまずは本堂にて参拝を済ませたいと思います。
ここ青岸寺は曹洞宗(禅宗)の寺院で、ご本尊は聖観音菩薩とのことです。本堂にはこちらの木工作品も展示されていました。米原市内にある笹木木工さんの組子行灯だそうです。
笹木木工さんは大正二年創業の伝統ある建具を中心とした木工所で、組子行灯はホームページから購入することも可能です。
こちらが国指定名勝でもある青岸寺の庭園です。この庭は全国的にも珍しい苔の枯山水で観音菩薩の降り立つ伝説の山とされる補陀落山(ふだらくせん)の世界を表現しているそうです。
先程ご紹介した苔テラリウムはこの中央にある松と石組みを再現したものだと思われます。青岸寺と苔テラリウムの相性はピッタリですね。
続いてはこちらの書院「六湛庵」に向かいます。この書院は明治37年に永平寺六十四世貫首である森田悟由禅師により建立されたものだそうです。
この書院にはこちらの切絵障子が展示されています。この作品は米原市在住の切絵アーティストである早川 鉄兵氏によるもので、鶴亀島や黒松の他、虎や鹿、鳥などが描かれています。
青岸寺にはこちらの茶寮「喫茶去」もあります。利用出来るのは拝観者のみで、水曜日から日曜日まで営業されています。尚、抹茶ガトーショコラなどのデザートメニューもありますが、水曜日はドリンクのみとのことで、今回はホットコーヒーを頂きました。値段は400円です。
ドリンクが載ったトレイにはススキが添えられていて秋を感じさせてくれます。今回は縁側にあるテーブルで妻と二人で綺麗な庭を眺めながら非日常を味わうことが出来ました。
今回のイベントではこちらの「陶あかり」も展示されていました。陶器の内側からの灯りによる光と影の幻想的な空間でした。こちらは米原市在住の大橋 丈夫氏の手作りで、自宅にある窯で焼いておられるそうです。
最後はとても立派な「どこでもドア」になります。特に説明などが無かったため帰宅後に調べてみたところ、こちらも笹木木工さんの作品だそうです。米原市内の観光地のいたるところに出現するとのことですので、また別の場所で目にすることがあるのかもしれません。
青岸寺での非日常を満喫した後は、旧の中山道を少し歩いて再び米原駅まで戻ってきました。こちらの写真は国道8号線の歩道から米原駅の方向を撮影したものです。
国道と線路との間には広大な空き地が広がっていて、この写真を見ると米原駅には本当に何もないという感じがしますが、コロナ禍で一旦は白紙に戻っていた駅前の再開発も動き出しそうな状況のようですので、何らかの形で賑わいを見せる日が来ることを祈りたいと思います。