ドローンを自作して飛ばしてみる

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ドローンを自作してみる

先日、Amazonマーケットプレイスで海外発送の商品を購入したというご報告を雑記帳に書きましたが、届いた荷物の中身はこちらになります。

青い箱の蓋にはS500 Multi-Rotor Air Frameと書かれており、フレームキットの外箱のようです。

今回はドローン用のフレームキットにモーターやプロペラ、スピードコントローラーの他、フライトコントローラーやGPSユニットなどがセットになった商品を購入したはずだったのに、送られてきたのはフレームキットの箱だけでしたのでチョット不安になりました。

恐る恐る箱の蓋を開けてみたところ、中にはどうやって入れたのかと思われるほどの多くのパーツが詰め込まれており隙間は全くない感じです。

こちらが箱を開けた状態の写真になりますが、フレームキットの各パーツの隙間にモーターやプロペラ、スピードコントローラーといったパーツが無理やり押し込まれているといった状態です。
輸送中に箱の角が少し潰れてしまったようですが中に入っていたパーツへの影響は全くなく、また不足しているパーツもありませんでした。

Amazonの商品説明欄には記載のなかったものや写真には写っていないパーツも含まれていましたので、かなりお買い得な商品ではないかと思います。

こちらが箱から取り出した全パーツになります。

・フレームキット S500+ランディングギア 1式
・ブラシレスモーター
 Hobbypower 2212 920KV CW&CCW 各2個
・スピードコントローラー Simonk 30A 4個
・フライトコントローラー APM2.8(互換品) 1個
・NEO-7M GPSモジュール 1個
・GPSブラケット 1個
・プロペラ Gemfan 1045 ブラック CW+CCW 1組
・プロペラ Gemfan 1045 オレンジ CW+CCW 1組
・スペアパーツパック 1式

尚、モーターやスピードコントローラーなどの各パーツは、商品説明欄に掲載された写真どおりの商品が入っていましたし、説明欄への記載や写真の掲載はなかったものの、フライトコントローラー用の電源モジュールやバッテリーの固定ベルトの他に、XT60コネクタやT型ディーンズタイプのコネクタなども付属していました。
商品到着までには期間を要するものの、これだけのものが揃って価格は19,762円+送料340円となっています。

では各パーツの確認を行いながら組み立て作業に入って行きたいと思います。

まずはアーム部分の確認とランディングギアの組み立てから始めたいと思います。アーム部分のパーツについては中国製にしては作りも悪くなく、モーター取り付け穴の位置なども問題ありませんでしたので成型時のバリの処理だけ行いました。

ランディングギアについてはカーボン製のものが付属しており、接地部分にはウレタン製のクッション材が付いています。品質的にも問題なさそうです。T字形になるように組み立てネジを締めれば完成です。

最初にも書きましたが、今回の購入品はドローンの組み立てキットではなくフレームキットにモーターなどの必要なパーツをセットにして販売されているものになりますので、残念ながら組立説明書のようなものは付属していません。

こちらの写真はフレームキットの組立説明書になりますが、完成イメージと各部に使用するネジのサイズが示された非常に簡単なものが1枚あるだけです。

またスピードコントローラーには仕様が書かれた紙が付いていましたが、フライトコントローラーやGPSユニットは袋に入ったパーツがフレームキットと一緒に同梱されているだけですので、接続方法や使い方などは自力で何とかする必要がありそうです。

とは言うものの、電動ラジコンヘリコプターを経験していればそれほど難しい部分は無さそうですし、フライトコントローラーやGPSユニットの接続方法などについてもネット上で情報を見つけることが出来ますので、あまり心配をせずに組み立て作業を進めたいと思います。

続いてはアーム部分の先端にモーターを取り付けます。各モーターを4本のネジで固定するだけですので簡単な作業です。締め忘れがないよう均等に締め付けます。

他の類似の商品では、モーターとアーム側の穴の位置がズレていたとか、モーター側のネジに不備があって締め付けが出来ないといった評価も見掛けましたが、こちらの製品ではそのような問題もありませんでした。

次は、チョット手間の掛かる電気配線関係の作業に入りたいと思います。この作業にはハンダ付けを伴いますので、火傷や火災などに注意が必要になりますし、初めての方にはハードルが高いかもしれません。

こちらの写真はメインのフレームになりますが、以前にご紹介した小型ドローンと同様、フレーム自体が電気配線を兼ねた基盤になっており、接続するバッテリーから各スピードコントローラーへ電気を分配する分電盤の役割を果たします。

まずはフレームにXT60コネクタをハンダ付けします。またバッテリー側には電動ヘリコプターの時に使用していたT型ディーンズタイプのコネクタが取り付けられていますのでXT60タイプに変更しました。

バッテリー側のコネクタを変更する時にプラス側とマイナス側のリード線が接触してしまうと短絡になりますし、最悪の場合、バッテリーが発火する恐れもあるため十分に注意が必要です。

最後の写真はメインのフレームにアーム部分を取り付けた状態になります。取り付け自体はネジで固定するだけですので難しい作業ではありませんが、取り付け位置に注意が必要です。

箱から取り出したパーツをご紹介した時にCW+CCWといった記載があったと思いますが、これはモーターの回転方向を示しています。
CWは英語のclockwiseの略で時計回りを示し、CCWはcounterclockwiseの略で反時計回りになります。

モーターの回転方向と書きましたが、電気配線の接続を変えれば右にも左にも回転するため、実際には出力軸に切られたネジの向きを示していることになります。
扇風機を組み立てた経験がある方はご存じだと思いますが、羽根は時計回りに回転するため羽根の固定に使用するスピンナーには逆ネジが切られています。

これは羽根の回転によってネジが緩まないように回転方向とは逆のネジが切られているものです。ドローンの場合も同様に左右のプロペラはそれぞれ逆回転するようになっていますので、プロペラの回転方向を良く確認した上でアームを取り付ける必要があるということです。

尚、時計回りに回転させるモーターには黒いナットが、反時計回りに回転させるモーターにはシルバーのナットが取り付けられていますので、このナットの色で判断すれば難しいことはないと思います。

と書いておきながら非常に恥ずかしい話ではありますが、実はこの写真の取り付け位置は間違っており、この後の作業で気付いたため現在は左右を入れ替えてあります。
ということで、今日はこのあたりにさせて頂いて、この続きはまた次回ご報告させて頂きたいと思います。

2017年06月25日

ドローンの組み立て作業が終了

前回の組み立て状況のご紹介の中ではスピードコントローラーのハンダ付け作業の部分を割愛してしまいましたので、今回はそこから始めたいと思います。

電源コネクタのハンダ付け作業の時にもご説明しましたが、フレームは分電盤の役割を果たしており、スピードコントローラーの赤と黒のリード線を指定された箇所にハンダ付けするだけで配線が完了します。

組立説明書はありませんが、フレームにはプラスとマイナスの表示があるため間違える心配はありません。

こちらがハンダ付けを終えた状態になります。アーム部分を仮組してリード線の長さを調整すると良かったのですが、手間も掛かるためとりあえずそのままの長さでハンダ付けしてしまいました。

こちらの写真はアーム部分を取り付けた後の状態になります。スピードコントローラーのリード線が若干長かった感じではありますが、やり直しが必要なレベルではありませんでしたので、このまま受信機の取り付け作業に入りました。

フレームの中央部分に写っているのが受信機になりますが、振動による影響を少なくするために、両面テープを使って貼り付けた後、電動ヘリコプターの時に使用したマジックテープで固定しています。また、受信機のアンテナ線については、この写真では見辛いと思いますが、フレームに黒いパイプを結束バンドで取り付け、その中に線を通して処理しました。

続いてはフレームの下回りの組み立て作業に入ります。

こちらが使用するパーツになりますが、前回ご紹介したフレームキットの組立説明書に書かれているイラストに従って組み立てるだけですので特に難しい部分はありませんでした。

尚、パイプの太さが左右で若干異なるようで、パイプを固定するためのパーツを通した時に少し固めの方と緩く感じる方がありましたが、組み立てた後の状態では特に問題ないようです。

最後に、上段のフレームとランディングギアを指定されたネジを使って固定すればフレームキットの組み立て作業は終了になります。

こちらの写真が完成したフレームになります。何となくドローンの雰囲気になってきたのではないでしょうか。

GPSモジュール用のブラケットも取り付けました。写真中央やや左側に写っている縦の細い棒状のパーツがブラケットになります。
この時点では、まだスピードコントローラーが固定されていないため、配線にぶら下がった状態のままになっていますが、この後、結束バンドを使って固定しました。

尚、こちらの写真に写っている黄色いコネクタが両端に取り付けられたパーツは、フライトコントローラー用の電源モジュールになります。
Amazonの商品説明欄にはこの電源モジュールの記載がなく、別に購入する必要があるのかと思っていたのですが、付属品の中に入っていましたので今回はこちらのパーツをそのまま使用したいと思います。

ただし、Amazonで販売されている同様のパーツの評価欄を見ていると、電圧変動が大きく、とてもフライトコントローラー用の電源として使用できるものではないといった書き込みもありましたので、念のためにオシロスコープを使って電圧や波形を確認してみました。

こちらの写真が電圧の値や波形を確認している状況になります。電圧に問題はありませんし波形も非常に綺麗な状態でしたので問題なく使用できそうです。

いよいよ組み立て作業も終盤に入ってきました。残るはフライトコントローラーとGPSモジュールの取り付けになります。

まずはフライトコントローラーの取り付けです。こちらはドローンの心臓部、機能的には各モーターをコントロールしてドローンの姿勢を制御したり各種センサーを使って機体の向きや高度を検知する非常に重要な部分になりますので振動による影響を極力少なくするために付属の防振ダンパーを介して取り付けました。

尚、フライトコントローラーの取り付けには向きの指定があり、FORWARDと書かれた矢印を前方にします。

GPSモジュールは付属の両面テープで貼り付けるだけですが、こちらも向きが重要になりますのでフライトコントローラーの矢印に合わせます。

各パーツの取り付けが終了したら、GPSモジュールや各スピードコントローラーのケーブルをフライトコントローラーの指定の場所に接続するとともに、受信機についても付属のケーブルを使って接続します。

接続方法に関する情報についてはネット上に沢山ありますので、それを参考にしながら作業を進めました。

最後の写真は全ての配線作業を終えてプロペラも取り付けた状態になります。ブラックのプロペラが前方、オレンジが後方になります。各プロペラにも回転方向の指定があり、時計回り用と反時計回り用がありますので、取り付け場所を間違えないように注意が必要です。

これで組み立て作業については終了になりますので、次回はフライトコントローラーの設定と試験飛行に進みたいと思います。

2017年07月01日

フライトコントローラーの設定と初浮上

昨日の時点でフライトコントローラーの設定が概ね終了し、初浮上が可能な段階まで進みましたので、今日はその状況をご報告したいと思います。

フライトコントローラーを設定するために、まずはパソコン側にMission Planner(ミッションプランナー)というソフトをインストールします。

このソフトは無料で使用できるものでダウンロード先やインストール方法などは多くの方がネット上で紹介されていますので、ここでは割愛させて頂きます。

こちらの画像がミッションプランナーを起動した状態になります。完全ではないものの日本語表示にも一応対応しています。

フライトコントローラーの設定について簡単にご紹介します。例えばラジコンヘリコプターの場合はローターのピッチや傾きはサーボモーターを使って機械的に操作しますし、動力となるモーターも一つですので、調整は送信機側の設定で完了させることが出来ますが、マルチコプターの場合は機械的に操作する部分がなく、複数あるモーターの回転数を制御することによって機体の進む方向や高度をコントロールしています。

前進する場合は後方のプロペラの回転数を上げ、前方の回転数を下げます。すると機体は前に傾いてその方向に進みます。右に移動する場合は左側のプロペラの回転数を上げ、右側の回転数を下げるといった具合です。

送信機からの操作信号を受けて各モーターの回転数を制御しているのがフライトコントローラーで、使用する機体のタイプや使用するモーター(プロペラ)の数によって制御方法が異なるため、予め設定しておく必要があるということです。

また、機体の傾きや位置などを検出して自動で制御したり補正したりする機能も有しており、フライトコントローラー内部の加速度センサーや高度を検出するための気圧センサー、更にはフライトコントローラーに接続した電子コンパスやGPSモジュールからの信号に対してどういう制御をするのかといった設定も必要です。

それらの設定作業をパソコン側から実施するためのソフトがミッションプランナーであり、設定や各センサー類の調整が完了すると、画面上には機体の傾きや方向の他、地図上に現在位置も表示されます。

設定や調整の方法についてもネット上に多くの情報がありますので、詳しくはそちらを参考にして頂ければと思いますが、電子コンパスの調整だけは何度やっても上手く行きませんでした。

先ほどの画像にはジャイロに異常ありと表示されていますが、いろいろとやっている間にこうなってしまったもので、最初の頃はコンパス異常という表示がどうしても消えない状態でした。

電子コンパスの調整方法を解説した動画など情報も多いのですが、ある動画を見ていてGPSモジュールの接続箇所が異なっているのを発見しました。

以前にもご説明したとおり、組立説明書はありませんので、ネット上の情報などを参考にしながら作業を進めており、このGPSモジュールもその情報を基にして接続したのですが、赤い丸印のコネクタはこの位置に接続するタイプとそうでないものがあるようです。

GPSモジュールには電子コンパスも内蔵しており接続箇所の間違いがコンパスの調整にも影響しているのかもしれないと考え、動画で発見した方の位置に接続箇所を変更してみました。

こちらの写真がGPSコネクタの接続箇所を変更した後の状態になります。赤い丸印のI2Cと書かれた位置です。

この位置に変更した後、再度、電子コンパスの調整を行った結果、動画サイトなどで紹介されている状況と概ね同様の結果が得られ、ミッションプランナーの画面上に表示されていたコンパス異常やジャイロに異常ありといった表示も消えましたし、地図上にはほぼ正しい機体の向きが表示されるようになりましたので、やはり原因はGPSモジュールの接続箇所の誤りだったようです。

これで懸案だった電子コンパスの調整も終了となりますので、とりあえずバッテリーの充電を行い屋外で試験飛行を行ってみることにしました。

こちらの写真が試験飛行の模様になります。時間がもう少しあればミッションプランナーでフライトモードの設定なども行い、更に上空まで飛ばしてみたかったのですが、初フライトで大破ということも避けたいと思いますしフライトモードの設定方法も少し勉強する必要がありますので、このあたりは次回に持ち越しということにさせて頂きます。

ということで、今回はタイトルも初飛行ではなく初浮上にさせて頂いています。ホバリング状態も安定していますので、次回は昨日届いたアクションカメラの取り付け作業についてのご紹介を含めフライトモードの解説が出来る段階まで進めないかと考えております。

2017年07月09日