シャベルやワイヤーカッターなどの車外装備品のことをOVM(On Vehicle Material)と呼ぶという話は以前にご紹介しましたが、今回はこれらの装備品の塗装と水転写式デカールの貼り付け作業になります。
まずは車体から取り外すことが出来ないシャベルや斧などの金属部分から塗装します。
今回はメタリックグレイを塗った後、上からフラットブラックを薄く塗り、再度メタリックグレイのドライブラシで仕上げました。
次に木製の柄の部分の塗装ですが、こちらは木甲板色を塗り、乾いた後にエナメル塗料のクリアオレンジを重ね塗りしています。尚、ワイヤーカッターの柄については木製ではなく絶縁材のベークライトだという情報がありますので、木甲板色ではなくフラットブラウンを使用しました。
続いては取り外しが可能な牽引用ワイヤーやクリーニングロッドの塗装になります。
ワイヤー部分は履帯の時と同様に最初にフラットアースを塗ります。乾いたらその上からフラットブラックとフラットブラウン、クリアーオレンジを混ぜたものを塗って金属が錆びて黒くなったような感じを表現します。
最後に表面をメタリックグレイのドライブラシで仕上げて完了です。ドライブラシと言いながら筆に塗料をつけ過ぎてしまった感じですが、最初からやり直す元気はありませんので、次の機会に活かすという反省事項として整理しました。
次にワイヤーの間にあるクリーニングロッドは、材質が何なのか良く分かりませんが、ネット上の作品を見ていると他の木製の車載品と同じような色で塗られていますので、シャベルや斧の柄の部分と同様の方法で塗装しました。
また車体左側面にある履帯交換用ワイヤーについても牽引用ワイヤーと同じ手順で塗っています。
尚、消火器については、当初は車体と同じ色に塗る予定でいたのですが、目立たない存在になってしまうのも寂しいため、消火器と言えば赤ということでフラットレッドで塗ってアクセントにすることにしました。
車外装備品の塗装が終わったところで、デカールの貼り付け作業に入りたいと思います。
この戦車に元から貼られていたデカールは、厚みのあるシールのような感じのものでしたし、付属しているものも同じものですので、今回は別のデカールを新たに購入して貼ることにました。
最近、世田谷ベースでも何度か紹介されているラブリードールさんで購入したものですが、ジャーマングレーの車体に合わせられる製品は少ないため、以前に製作したプラモデルと同様に332号車を選択しました。正式には第503重戦車大隊第3中隊332号車だそうです。
ドイツのペディングハウス社が製造している水転写式のデカールになりますが、タミヤの製品や実車の写真と見比べると数字のフォントや大きさが少し異なっているようです。
他に入手可能な適当な商品も見当たりませんでしたし、知識のある人にしか判らないことでもありますので、気にせずにこのまま作業を続けたいと思います。
こちらがデカールを貼り終えた後の状態になります。
文字以外の透明な部分を出来るだけ小さくした方が綺麗に仕上がるものの数字をバラバラにしてしまうと元通りに綺麗に並べる自信がありませんでしたので、中央部分がつながった状態で貼ったのですが、シルバリングと言って透明な部分が光った状態になってしまいました。
つや消し塗料をエアブラシで塗装した表面がざらついているために、デカールが密着しないことで発生するものですが、貼り終えた後に対策することも難しい状況ですので、後は塗装で何とか誤魔化したいと思います。
尚、このデカールはタミヤ製のものなどに比べて厚みが薄いため破れやすいとのことでしたが意外に丈夫な感じで少々乱暴に扱っても破れることはありませんでしたので、あまり心配する必要はなさそうです。
こちらは車体前方の車外装備品になりますが、とりあえずは小綺麗な状態の車体が完成しました。
作業中は外してあった砲塔や内部の配線類も元の状態に戻して、走行関係や砲塔の回転など各部が問題なく動作することを確認しました。
エンジン音や発煙装置の動作についても特に問題ないようです。
これで各部の手直し作業やベースとなる塗装作業については完了となりますので、続いてはウェザリングと呼ばれる汚しの作業や、錆びや塗装の剥がれなどエイジングと呼ばれる経年劣化を表現して行きたいと思います。
ネット上にはため息が出るような素晴らしい出来の作品が数多く紹介されていますが、とてもその領域には到達出来ませんので、何となくそれらしい雰囲気が出るレベルを目指して作業を進めたいと思います。
最後の写真は、塗装を終えた消火器を取り付けた状態になります。出来は良くなくても赤いと言うだけで消火器に見えてしまうので不思議なものです。
また、以前に黒いチューブにメッシュチューブを被せて製作したエアクリーナーの吸排気パイプも取り付けてみました。全体に瞬間接着剤が浸透してしまい、かなり固くなってしまったため取る付けに苦労しましたが、なんとか形になったようです。
内部のバッテリー交換や手直し作業が必要な時はこのパイプを外す必要があるのですが、その時は破損を覚悟するしかなさそうです。
マフラーについては全体が錆びた感じになるように仕上げて行くため、とりあえずタミヤのハルレッドを塗って下地の処理を行いました。広い面積の錆を表現するのは難しいものですのでいろいろと試行しながら作業を進めることにしたいと思っています。