履帯(キャタピラ)の塗装

模型・ラジコン

以前にご紹介した転輪の塗装がようやく終了しましたので、今日は、履帯(キャタピラ)の塗装を行います。
戦車や建設機械などの走行装置として用いられる無限軌道は、一般的にキャタピラやキャタピラーと呼ばれていますが、アメリカにある会社の社名であり登録商標でもあることから、使用には注意が必要なようです。

この戦車の場合、一番前が起動輪、一番後ろが誘導(遊動)輪で、中間にあるのが転輪です。またこれらを囲むように接続された板のことを履板と呼び、接続された状態のものが履帯になります。

こちらの写真はラジコン戦車を購入した時点のものになりますが、装着されているのは黒いプラスチックの履帯のため、軽いこともあって少し張り過ぎているイメージがありますので、予備として付属していた履板を左右に各1枚追加することにしました。

各履板は金属製のピンで接続されており、追加するためにはこのピンを抜く必要があります。
ピンの抜き方が分からないとか抜くのが難しいといった書き込みを目にしますが、構造的には腕時計の金属バンドと同じようなものですので、腕時計用の工具を使ってピンを抜きたいと思います。

ピンには向きがあり、片端だけ固定用のローレット加工が施されていますので、こちら側が下になるように履帯を置き、ピンの部分を冶具と金槌を使って軽くたたけば簡単に抜くことができます。左右の履帯とも車体の外側から奥に向かって抜くことになりますので向きを間違えないように注意が必要です。

履板の追加が終わったところで、塗装作業に入って行きたいと思います。
以前にご紹介したプラモデルと同じ方法で塗装して上手く行くのかどうか分かりませんが、とりあえず作業を進めることにしました。プラモデルは1/48、今回は1/16ですので同じような雰囲気に仕上げるのは難しいかもしれません。

まずは全体をタミヤのフラットアースを使って塗装します。裏面を筆塗りで大雑把に塗装した後、複雑な形状の表面や裏面の細部はエアブラシを使用しました。
こちらは下塗りになりますので、多少の塗り残しやムラがあっても気にせずに作業を進めます。

次に、全体を金属が黒く錆びたような感じに仕上げて行きますが、雨ざらしで赤錆が浮いた状態ではありませんので、赤くなり過ぎないように注意して調色します。
使用したのは、タミヤのフラットブラックとフラットブラウン、それとフラットレッドにクリアーオレンジです。

今回は、フラットブラウンとフラットレッドを混ぜて使っていますが、レッドブラウンを使用しても大丈夫だと思います。

これらの塗料を混ぜる時の比率はかなり適当ですが、乾いたときにレールが錆びたような感じになれば良いと思います。言葉で表現するのは難しいですが少し赤茶色を帯びた黒という印象です。

全体に黒く錆びた感じが表現できたら、地面に接する面をシルバーに塗って仕上げます。
走行可能な現役の戦車ですので地面に接している部分は摩擦によって金属の表面が見えているはずということで凸面の箇所のみ塗装します。今回はGSIクレオスのラフシルバーを使用しました。
以前に組み立てたプラモデルに比べるとかなり大きいため上手く塗装できるのか心配でしたが、とりあえず許容範囲内に収まったようです。

シルバーに塗った塗料が乾いたら、サンドペーパーを使って表面に進行方向の傷を軽く付け、つや消しスプレーで表面を保護してやれば完成です。

上手く写真を撮ることが出来ないため塗装前後の変化が分かり辛いと思いますが、黒く光ったプラスチックの表面が金属のような感じになりましたので、重量が増したような印象になりました。
また、長さ的にも履板を追加したことで弛みが増えましたので、重量感を出すのにも効果があったようです。
尚、履帯のウェザリングについては車体の塗装に合わせて最終的に行う予定をしています。

残るのは車体の後部にあるマフラーやエアクリーナーの手直しになりますので、次回以降はこの辺りの作業を行い、車体の塗装作業へと入って行きたいと思います。