この帆船模型はプラモデルではありませんので主な材料は木材になります。船体は厚さ4ミリの合板(ベニヤ板)から切り出した骨組みに、幅4ミリ、厚さ1.5ミリの板を船体の上部から順番に張り付けて製作しており、この作業だけで半年以上を費やしたと思います。
甲板も同様に幅4ミリの板を中央から順に並べて張っており、船体のカーブに合わせた加工も必要になるため相当の労力が必要でした。
残念ながらここまでの作業過程については写真が1枚も残っていませんので、現在の状態を見ながら作業状況を想像して下さい。
これまでの作業で船体部分は概ね完成していますので、ここから先はマストとヤードの組み立て、マストから船体に糸(実物の場合はロープ)を張るリギングという作業がメインになります。
こう書くと残り僅かのように思えますが、帆船模型の場合はこの糸を張るリギングに相当の時間が必要になります。
完成状態までご紹介できるのか心配ではありますが、少しずつ作業を進めて行きたいと思います。
ヤードとは帆を張るための横棒のことで、マストはそれを支える柱になります。
マストの部分は組み立て作業がほぼ完了していますので、今回はヤードの製作を行います。
こちらの写真はヤードの図面と材料となる丸棒になります。ヤードは両端に行くほど細くなっていますので、模型用のカンナやカッターナイフなどを使って図面どおりに削り出し、最後に表面をサンドペーパーで仕上げます。
マスト1本に対して5本から6本程度のヤードが取り付けられていますので、削り出す作業だけでも数ヶ月は要しそうです。
この写真が現在のところの作業状況になります。白木の丸棒から図面どおりに削り出し、塗装を行った後に黄銅製の針金で作った吊り金具を使用して組み立てます。写真の一番下が完成状態です。
このような製品を全部で16本も作らないといけませんのでヤードの製作だけでも相当の期間が必要になりそうです。
続いての写真は船首部分になります。手すりの支柱が未塗装のままになっていますのでヤード製作の合間に少しずつ塗装を行っています。
船首に向かって左側が白く塗装した後で右側が未塗装の状態になります。この支柱も黄銅製ですので製作開始から15年以上が経過して少し錆びた感じになっていますが、塗装してしまうと判らないので大丈夫かと思います。
この支柱には先端と中ほどに小さな穴が開いていて、そこに黄銅製の針金を通して手すりにするようになっています。実際に手すりが完成するのは相当先のことになりそうです。