『たぬきおやじ』がプレイステーション5(PS5)を購入したのは一昨年の8月のことで、その翌月にコントローラーを追加購入していますので、どちらも使用期間は約2年になります。
先日のことになりますが、孫からコントローラーの左側のゴムが取れてしまったので直して欲しいという依頼がありました。

こちらの写真が取れたゴムのパーツをスティックに戻してみた状況ですが、正常な右側に比べるとゴムが剥がれて浮き上がっている感じで、操作すると簡単に外れてしまいます。
接着剤を取れたゴムのパーツの内側に塗って貼り付けてはみたものの、元のような状態に戻すことは困難でしたので、交換用のパーツの有無や修理方法などを調べてみることにしました。

ネット上にある情報を検索してみると同様の不具合は数多く発生しているようで、ゴムの加水分解によりベタベタするとかブヨブヨになったというものを含め、スティックの交換方法を紹介されている動画がいくつか見つかりました。
交換用のパーツについてもAmazonなどで検索してみると数多くの商品が販売されており、どれを購入して良いのか迷うのですが、とりあえずカスタマーレビューの評価が高く、動画投稿サイトで紹介されていた修理にも使われている商品を購入してみることにしました。
エクストリームレート(eXtremeRate)のPS5コントローラー対応交換サムスティックという商品で、Amazonでの販売価格は999円でした。交換用スティックが2個とドライバーなどが付属しています。色はソリッドブラックを選択しましたが、それ以外にイエローやブルー、オレンジなど24色の中から選ぶことが出来ます。

恐らく今回購入のソリッドブラックが純正パーツと同じ色だと思うのですが、オレンジ&ブラックやグリーン&ブラックといった選択も出来ますので、色を変えて気分転換も良いかもしれません。

それではスティックを交換するためにコントローラーを分解して行きます。分解の手順やポイントなどは動画投稿サイトにある情報を参考にして作業を進めることにしました。
まずはコントローラーの前面にある黒いカバーを外します。赤い丸印の隙間に爪などを掛けて手前側に引っ張ると簡単に外れます。

こちらの写真がカバーを外したところです。かなり薄いパーツですし、スティックよりも前の部分は本体に差し込むような形で取り付けられていますので折らないように注意して外します。

黒いカバーが外れると、この写真の赤い丸印のところに背面カバーを固定しているネジが見えますので、この2本を付属していたドライバーを使って外しました。

続いては、R1ボタン、L1ボタンを外します。R1ボタンを外す時は、R2ボタンを押しながら出来た隙間にヘラなどを挿し込んでR1ボタンを押し上げるようにすると外れてきます。

R1ボタン、L1ボタンが外れたら、この赤い丸印のところにある2本のネジを外します。背面カバーを固定しているのは先ほどのネジを含めてこの4本だけです。

では、背面カバーを外して行きます。前面と背面のカバーはネジ以外に何箇所かある爪で固定されていますので、背面カバーを外す方向に力を加えながら、まずはこの赤い丸印のところにある爪をヘラなどで外してやります。
ここまでは簡単な作業だったのですが、R1ボタン、L1ボタンがある方はヘラなどを使ってもなかなか外れてくれなくて、ここで作業が中断してしまいました。『たぬきおやじ』も初めての経験でしたので力の入れ具合が分からなかったのですが、結論から言うと内側にある爪で固定されているためヘラなどを使う必要はなく、もう少し力を加えて引っ張ってやったら外れてきました。
構造的に力を加えて引っ張っても爪が折れてしまうといったことは無いと思いますので、あくまで自己責任ではありますが、必要になるのは勇気ではないかと思います。

ここまではプラスチック製のパーツを破損させてしまうのではないかと心配しながらの作業が続きましたが、ここから先は基盤や配線を傷つけたりしないように注意さえすれば難しい作業はあまり無いと思います。
まずは赤い丸印のところにあるコネクターを引き抜いて内蔵のバッテリーを取り外します。無理な力を加えなければリード線を引っ張って抜いても大丈夫だと思います。

バッテリーが載っていた黒い受け皿と基盤は右上の赤い丸印のところのネジで固定されていますので、これを緩めて外します。この時に中央下側の赤い丸印のところに挿してあるマイクのフレキシブルケーブルも抜いておきます。

黒い受け皿のようなパーツが外れると基盤が見えますので、赤い丸印のところに挿してあるフレキシブルケーブルを全て抜いてやります。基板上のコネクタに挿し込まれている部分にタグのようなものが付いていますので、そこをラジオペンチなどで挟んで引っ張れば簡単だと思います。

表側から左右のスティックを押し込んでやれば基盤が外れてきますので、モーターに接続されているリード線を切断しないように注意しながら基盤を裏返しにします。
スティックは挿し込んであるだけで固定されていませんので、軽く引っ張れば抜けてきます。後は新しいスティックを挿し込んで交換作業は終了です。

こちらの写真がスティックの交換を終えた状況です。純正のスティックは樹脂製のパーツをゴムで覆ってあるのですが、今回購入した交換用のパーツは樹脂製の一体成型となっています。
見た目には純正スティックの形状を上手く再現しているものの、触れた時に指に伝わる感触はゴムのような柔らかさがありませんので、操作時に違和感を感じる方もあるかもしれません。
尚、スティックの挿し込みが不足していると前面カバーに接触して動きが悪くなりますので、最後まで確実に挿し込まれていることを確認しました。

スティックの交換を終えたら、後は分解した時とは逆の手順で組み立てて行きます。背面カバーを取り付けてしまうと再び分解するのは大変ですので、この段階でフレキシブルケーブルが全て挿し込まれていることを確認した後、ゲーム機本体に接続して動作確認を行いました。

左右のスティックや配線を外したマイクなどの動作についても問題はありませんでしたので、背面カバーや前面の黒いカバー、R1ボタン、L1ボタンを元に戻しました。これで修理完了です。
もう1台のコントローラーも左側のスティックのみゴムが浮き始めているのですが、1台分しか交換用のパーツを購入していませんので、先ほどの修理で不具合が生じていなかった右側のスティックをこちらに流用することにしました。
最初のコントローラーの時は分解に手間取ってしまい交換作業に50分~1時間ほど要してしまいましたが、2台目の時は背面カバーの取り外しにも慣れたため30分ほどで終了しました。

この写真の左側が新たに購入した交換用スティックを使用したもの、右側が不具合が生じていないスティックを流用したコントローラーになります。現時点で不具合の生じていない純正スティックも更に使用期間が長くなると同じような状況になってくると思いますので、その時にまた交換用のパーツを購入して対応したいと考えています。
孫達が毎日何時間も使用していますので、稼働状況を考えると当然の結果かもしれませんが、もう少し耐久性を高めるか、消耗品として交換が容易な構造への改善を望みたいところです。
このコントローラーの価格もかなり高くなっていますので、とりあえずこれでもうしばらく大丈夫だとは思いますが、少しでも長持ちすることを祈りたいと思います。


